旧門司三井倶楽部
きゅうもじみついくらぶ □福岡県北九州市





<門司港レトロを、代表する名建築。>
旧門司三井倶楽部は、国の重要文化財に指定された、門司港レトロを象徴する洋館です。1921年に社交倶楽部として建てられ、アインシュタイン夫妻も宿泊した歴史ある建物です。優雅で豪華な内部には、レストランやアインシュタインルームがあり、歴史と美食を楽しめます。本記事では、旧門司三井倶楽部の魅力やアクセス、そして実際に訪ねて分かったおすすめ情報などを詳しく紹介します。
所要時間:15〜30分(見学)
門司港レトロを、代表する名建築。
JR門司港駅から徒歩すぐのところにある「旧門司三井倶楽部」は、門司港レトロの歴史的建造物の中でも特に有名な建物で、国の重要文化財にも指定されている洋館です。1921年(大正10年)に竣工して今も当時の趣きをそのままに残す、門司港レトロを象徴する建物。元々はここから数km離れた山手に建っていましたが、1994年に現在地に移築されました。
訪ねた時には敷地内には桜が満開になっていて、旧門司三井倶楽部の漆黒の外壁とのコントラストが映えていました。

「旧門司三井倶楽部」は、門司港レトロの歴史的建造物の中でも特に有名な建物で、国の重要文化財にも指定されている。


2階建ての洋館と和風の付属棟がある。


1921年(大正10年)に竣工した洋館。
要人をもてなす、社交倶楽部として造られた。
旧門司三井倶楽部は、三井物産門司支店の社交倶楽部として造られました。明治時代から昭和初期にかけて国際貿易港、また大陸航路の客船の拠点として栄華を極めた門司港。諸外国から大勢の外国人が門司を訪れ、ここは当時の日本では最先端と言っていいほど国際色豊かな街でした。そんな時代背景で、外国の要人をもてなす施設として開設。華やかな港の風情を写し込んだ建物は長きにわたって親しまれました。

三井物産門司支店の社交倶楽部として造られ、外国の要人をもてなす場として使われていた。


正面に突き出したエントランス。


館内は無料で見学できる。
人を惹きつける、魅力的な外観。
建物は木造の2階建て。建物を支える柱や梁をそのまま外観の意匠の一部として見せる「ハーフティンバー形式」が採用されています。全体的にダークな色合いの外観ですが、真っ白な窓枠がアクセントになっています。そして特徴的なのが正面に並べられた大小5つの切妻屋根。急勾配ですが全ての切妻屋根の角度が統一されていて、この建物のフォルムを決定づけています。建物形状には軽やかさを感じさせつつ、色や風合いには重厚感を纏う、どこか人を惹きつけるオーラというのが旧門司三井倶楽部にはあります。

建物を支える柱や梁をそのまま外観の意匠の一部として見せる「ハーフティンバー形式」が採用されている。


全ての切妻屋根の角度が統一されている。


軽やかさと重厚感の両方を併せ持つ。
繁栄を極めた、門司の粋。
建物内部も外国からのビジターを歓待するにふさわしい、優雅で豪華な造り。エントランスホール入口には帆船を描いたステンドグラスがはめ込まれていて、訪問者を迎えてくれます。1階は吹き抜けのホールを中心に、食堂、応接室、客間などが配置されており、2階には居間や寝室、浴室などがあります。内装は細部までかなり繊細に作り込まれていて、幾何学模様のアールデコ調の装飾、ステンドグラスやモザイクタイル、各部屋のマントルピースなど、海運で繁栄を極めた門司の粋を表しているようです。

エントランスホール入口の帆船を描いたステンドグラスは、海運で繁栄を極めた門司の粋を表しているよう。


優雅な雰囲気の1階ホール。


応接室に3つ並ぶペンダントライト。


ドアのガラス枠も絶妙なデザイン。


時の流れが積み重なった空間。
時の流れが、積み重なっている。
そんな格調高い館内の1階にはレストラン「三井倶楽部」があります。大正ロマンを感じながら門司港名物の焼きカレーやふくの懐石料理が楽しめます。門司港を代表するふぐ料理店が経営しているそうで、確かな味で評判。
また2階にはかつてアインシュタイン夫妻がこの館に宿泊した時の部屋を再現した「アインシュタインルーム」、門司出身の女流作家「林芙美子記念室」があり、この街の歴史の一端に触れることができます。
とにかく優雅で贅沢な空間。そして時の流れが積み重なった温かみのある雰囲気。旧門司三井倶楽部の観光では、絶対に外せない名建築です。

大理石の豪華なマントルピース。横にあるのは門司出身の女流作家・林芙美子氏のパネルで、記念室が2階に設えられている。


部屋に比べると簡素な階段室。


裏手には一体となった和風建築が付随する。
photo.
アクセスマップ
■公共交通機関でのアクセス
- JR鹿児島本線・山陽本線「門司港駅」北口を出て徒歩約2分。駅前交差点を渡った目の前です。
- 平成筑豊鉄道「九州鉄道記念館駅」または「出光美術館駅」から徒歩約3〜5分。レトロ地区散策と合わせて便利です。
■車でのアクセス
- 北九州都市高速「春日出入口」または九州自動車道「門司IC」より一般道で約5〜10分。
- 駐車場:専用駐車場はありません。門司港レトロ駐車場など、駅周辺の民間有料Pをご利用ください。
詳細情報
名称 | 旧門司三井倶楽部 |
---|---|
所在地 | 福岡県北九州市門司区港町7-1 |
問い合わせ先 | 093-321-4151 | 門司港レトロ総合インフォメーション |
休業日 | 無休 ※レストランは不定休 |
料金 | 2階のみ有料大人150円、小中学生70円 |
駐車場 | - |
公式サイト | https://www.mitsui-club.com/ |
wikipedia | https://ja.wikipedia.org/wiki/北九州市旧門司三井倶楽部 |
食べログ | https://tabelog.com/fukuoka/A4004/A400501/40000825/ |
トリップアドバイザー | https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g303160-d1402776-Reviews-Old_Mojimitsui_Club-Kitakyushu_Fukuoka_Prefecture_Kyushu.html |
LAST VISIT | 202503 |
※掲載のデータは当ページ更新時点でのものです。以後の変更や詳細な情報につきましては、ご自身でお問い合わせの上ご確認いただきますよう、あらかじめご了承ください。