JP門司港ビル
じぇいぴーもじこうびる □福岡県北九州市





<門司港随一、生きているレトロビル。>
JP門司港ビルは、1927年に竣工した古いビルで、門司港レトロ地区の中でも珍しい、現役で使われているレトロビルです。シンプルな外観とは対照的に、内部はまるで時間が巻き戻されたかのような空間が広がっています。特に、竣工当時から使われているというアンティークなエレベーターは必見です。無駄な装飾のない潔いデザインと、古いままずっと使われている本物の空間が、訪れる人を魅了します。本記事では、JP門司港ビルの魅力やアクセス、そして実際に訪ねて分かったオススメ情報などを詳しく紹介します。
所要時間:15〜30分(見学)
門司港随一、生きているレトロビル。
個人的に門司港レトロの街並みの中で最も印象に残ったのが「JP門司港ビル(旧日本郵船ビル)」。JR門司港駅と駅前広場を挟んで向かい合って建つ、4階建ての古いビルです。竣工は1927年。門司港レトロでは珍しく、今でも現役で企業の事務所ビルとして使われています。それゆえに建物として「生きている」佇まいがあり、記念碑的な飾りを持っていないところに、どうしても私は惹きつけられたのです。

JR門司港駅の駅前に建つ、1927年竣工のレトロビル。門司港レトロでは珍しく、今も現役で事務所ビルとして使われている。
無駄な装飾のない、潔いデザイン。
正面から見た外観はとてもシンプルな装いです。1階部分は連続する7つのアーチが存在感を発揮するデザインですが、2階以上はどちらかと言えば単調な印象で直線的かつ平面的な構成です。全体としては左右対称に造られていて、屋上の「日本郵船」と書かれた看板が最も目立っています。真向かいのJR門司港駅とは対照的に無駄な装飾は極力削ぎ落とされたようなデザインで、その潔さみたいなものを感じる建物です。

屋上の「日本郵船」という文字看板が目立つように、外観は無駄な装飾は極力削ぎ落とされたようなシンプルなデザイン。


1階部分は連続する7つのアーチが特徴的。


駅に面した1階メインエントランス。


1階にはクラフトビールのビアホールがある。


時が刻まれたビル内装には感嘆する。
時間が巻き戻る、魅惑の建物空間。
JP門司港ビルがその本領を発揮するのは、建物の内観です。ドアノブを回して中に入るとその瞬間、100年くらい時間が巻き戻されたような空間になっています。小さめのホールがあり、右手には上階から差してくる光に照らされた階段。そしてその横にあるのは、見た瞬間にアンティークと分かるようなエレベーターです。扉が3枚重ねになっていて、インジケーターからボタンまで見たこともないほど歴史を感じる設えなのです。

1階の玄関ホール。ドアノブを回して中に入るとその瞬間、100年くらい時間が巻き戻されたような世界にひきこまれる。


今でも多くの企業が入居している。


玄関ホール床はレトロなモザイクタイル張り。


オフィスの入口も昔ながらの木製ドア。


窓からは門司港駅が見下ろせる。
100年動いている、奇跡のエレベーター。
そして迷わずそのエレベーターに乗ってみます。3枚の扉は片側に開きます。カゴの中は狭く5人ほど乗れば満員になりそうです。エレベーターとして必要最低限の設備した付いておらず、天井の換気扇からはカゴの外が見えています。それもそのはず、このエレベーターは竣工当時、つまり昭和2年から使われているものなのです。今も実際に稼働していることは、奇跡かもしれません。階段はエレベーターを取り巻くように造られていて、鉄骨が剥き出しのエレベーターシャフトも見られます。

見た瞬間にアンティークと分かるようなエレベーター。そのシャフトを取り巻くように階段が設けられている。


今も現役で、昭和2年から使われている。


1階のエレベーターホール。


片側に開く3枚の扉が特徴的。


懐かしいボタン式の操作パネル。
昔から変わらない、本物の空間と時間。
他にも暖房用のラジエーターが設置されていたり、玄関ホールのモザイクタイル、階段の手すり、階段室のブラケット照明などレトロな雰囲気は特筆すべきものがあります。やはり実用されているビルということで、観光用として飾っていないところ、古いままずっと使われているところがその理由。レトロビルとして昔から変わらない本物の空間と時間を提示してくれているような場所です。
ちなみにJP門司港ビルは門司港レトロの公開施設には含まれていません。あくまで民間の事務所ビルとして使われているからです。ただ中に入ることはできます。すれ違ったビル関係者も気持ちよく挨拶してくださいました。でも節度を持って見学されることをおすすめします。

今も実用されているということで、レトロビルとして昔から変わらない本物の空間と時間がここにはある。


1階玄関ホールの全景。


各階エレベーターホールのスリット窓。


優しい自然光が館内を照らしている。


レトロな階段室のブラケット照明。
photo.
アクセスマップ
■公共交通機関
- JR鹿児島本線・山陽本線「門司港駅」より徒歩約1分。駅改札を出て、駅前広場を渡った目の前にあります。
- 北九州空港アクセス:空港リムジンバスでJR小倉駅へ→JRで門司港駅(約+15分)。
■車でのアクセス
- 九州自動車道「門司IC」または「門司港IC」で下車、一般道を経由して門司港駅・レトロ地区へ約5〜7分。
- 都市高速を利用する場合も春日IC経由でアクセス可能です。
- 駐車場:建物専用駐車場はありませんが、駅周辺に民間の有料パーキング多数あり。
詳細情報
名称 | JP門司港ビル |
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所在地 | 福岡県北九州市門司区港町7-8 |
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