濠川
ほりかわ □京都府京都市




<京都伏見に流れる、疏水と風情。>
京都伏見を流れる「濠川」は、伏見城の外濠として始まり、琵琶湖疏水の最終到達点としても知られる歴史的な水路。酒蔵や町並みと調和した風情ある景観が魅力です。本記事では、濠川の歴史や散策ルート、アクセス、実際に訪ねて分かったおすすめ情報を詳しく紹介します。
所要時間:45〜90分(散策)
京都伏見に流れる、疏水と風情。
濠川は京都伏見の地を南北に流れる川ですが、一般的な河川とは大きく異なる歴史的経緯と特徴を持っています。ひとつは川の名が示すように、かつて豊臣秀吉が築城した伏見城の外濠でかつ運河として利用されていたこと。もうひとつは明治時代に琵琶湖疏水が整備されて以降、その一部として活用されていることです。そのような歴史と水量の多い流れは周辺に建ち並ぶ酒蔵の風景と相まって、独特の情緒が漂う川となっています。

伏見の町中を流れる濠川は元々豊臣秀吉が築城した伏見城の外濠で、かつ運河として利用されていた。

明治時代に琵琶湖疏水の一部となる。

十石舟が行き交い、漂う風情。
江戸時代には、淀川水運の拠点として隆盛。
元々川の流れがなかった場所を開削し、鴨川の水を引き入れたのが濠川のはじまり。伏見城築城に関わる建築資材を運ぶ運河であり、またその後は伏見城の外濠として活用されました。また南端の宇治川からは流路を改修して別の流れを作り(宇治川派流)、濠川に接続されました。それが1594年のこと。江戸時代になると濠川での水運が発達し、宇治川から淀川を通じて大阪との物流が飛躍的に増えました。伏見には酒蔵。問屋、宿屋が続々と建てられ、伏見港には千数百隻もの舟が集まり、たいそうな景気と賑わいだったといいます。また角倉了以が高瀬川を開削し、伏見から洛中へ直接入れるようになると、伏見で造られた酒を運ぶ舟は絶頂期を迎えました。

復元された伏見港の景観。江戸時代には濠川での水運が発達し、宇治川から淀川を通じて大阪との物流が飛躍的に増えて町は発展した。

エリアの名称にもなっている「丹波橋」。

豊富な水量で琵琶湖疏水が流れている。
琵琶湖疏水の最終到達点でもある。
明治時代になると、濠川は琵琶湖疏水の一部となります。鴨川の左岸を流れる鴨川運河と繋がれ、濠川を流れる水は全て琵琶湖疏水の水に。南下してきた鴨川運河が一旦暗渠となり、墨染発電所で使われたあと再び地上で流れ始めるところを起点として、濠川は宇治川まで約3kmに渡って流れてゆきます。そして琵琶湖から取水された水の最終到達点となり、宇治川へ放流されています。
以前に山科から蹴上まで歩いて感銘を受けた琵琶湖疏水の水が、長い旅路の末にこうしてゴールを迎えるのは、なんだか感慨深いものがあります。

「伏見であい橋」付近の濠川。濠川は宇治川派流へ分岐したあと、宇治川の本流へ注ぎ込んでいく。

民家に沿うようにクランクして流れていく。

数多くの橋が架けられている。

伏見の酒蔵が建ち並ぶ街並み。

歴史的な石碑や史跡も随所にある。
まるで水が水を、追い越すように流れる。
今回は丹波橋付近から、十石舟の起点となっている弁天橋まで、約2kmの距離を濠川に沿って歩いてみました。
丹波橋はこのあたりの地名にもなっている由来の橋で、想像以上に小さな橋です。橋の下を覗き込むと、濠川の川幅に対してかなりの量と流れの速さで水が流れています。深い緑色をしていて、流れが巻き起こす泡や渦も一緒に流れています。この日はあまりに水が多いのか、まるで水が水を追い越すように、あるいは押し合いへし合いしながらどんどんと流れています。町の中を何度もクランクしながら、川沿いの民家の軒下をかすめるように。

橋の下を覗き込むと、濠川の川幅に対してかなりの量と流れの速さで水が流れている。
それぞれの橋にも個性がある。
濠川沿いには基本的に民家や酒蔵が建っているため、川面を眺められるのは橋の上からになります。なのでそれぞれの橋から眺めた後は、次の橋まで町中を歩くことになります。でもその町並みにもどこかに伏見の歴史を語るもの、例えばどこどこ藩の屋敷跡だとか幕末の史跡だとか、歩いていてとても楽しいものがあります。またそれぞれの橋にも個性があり、その欄干や親柱の装飾の違いを楽しんだり。親柱に川の名称は「濠川」と書かれている箇所もあれば「疏水」と書かれたところもあり面白いものです。

それぞれの橋には個性がある。また親柱に川の名称は「濠川」と書かれている箇所もあれば「疏水」と書かれたところもある。

こちらの親柱には「濠川」と刻まれている。

濠川沿いにある「坂本龍馬避難の材木小屋跡」。
大手橋以南は、濠川の左岸に遊歩道がある。
伏見の目抜通りである大手筋と濠川が交差する大手橋。西詰には寺田屋騒動の時に坂本龍馬が一時的に身を隠した材木小屋があった記念碑が建っています。このあたりになると濠川の川幅は広く流れも緩やかになり、川面も鏡のように静かになります。空が映って綺麗。
またこの大手橋以南は、濠川の左岸に遊歩道が設けられて川沿いを歩くことができます(右岸に降りる階段もありますが、すぐに行き止まりになります)。最初はやや荒れた散策路なのですが、宇治川派流と合流する「伏見であい橋」付近からは柳、桜、モミジの並木が続く、風流この上ない遊歩道となります。実はその辺りを流れる川は濠川ではなく宇治川派流なのですが、宇治川派流についてはまたあらためて別の記事でご紹介します。

大手橋以南は濠川の左岸に遊歩道が設けられていて、川沿いを歩くことができる。

「伏見であい橋」にある伏見港の銘板。

濠川と宇治川派流の分岐地点。

緑のトンネルが美しい宇治川派流。

柳、桜、モミジの並木が続く風流な散策道。
日常では味わえない風情や、風流な雰囲気。
濠川は「伏見であい橋」で宇治川派流へ枝分かれし、さらに角倉了以が開削した東高瀬川の名残である流れと合流したあと、南流して「三栖閘門」から宇治川へ注ぎます。遊歩道はこの三栖閘門まで続いており、また宇治川派流の弁天橋の袂から出ている遊覧船「十石舟」では美しい川面から酒蔵や桜並木を見上げながら、濠川河口の三栖閘門までの往復が楽しめます。
というわけで伏見の濠川、町の中を流れる水路のような川なのに、日常では味わえない風情や風流な雰囲気に満ちています。のんびり寄り道しながら、独特の趣きがある伏見の時間を満喫する散策でした。

Yの字型が特徴的な「伏見であい橋」から見下ろす、濠川と宇治川派流の分岐地点。

右側の濠川に左側の東高瀬川が合流する。

東高瀬川を開削した角倉了以を顕彰する石碑。
photo.
アクセスマップと交通アクセス
■公共交通機関でのアクセス ― 濠川(伏見)
- 京阪本線「中書島駅」:
- 徒歩で約5分。
- 濠川周辺の観光船「十石舟」の発着所も近くにあります。
- 近鉄京都線「桃山御陵前駅」:
- 徒歩で約10分。
- JR奈良線「桃山駅」:
- 徒歩で約20分。
■車でのアクセス ― 濠川(伏見)
- 名神高速道路「京都南IC」から約10分。
- 第二京阪道路「巨椋池IC」から約5分。
- 濠川周辺には、伏見港公園駐車場や、多くのコインパーキングがあります。
詳細情報
| 名称 | 濠川 |
|---|---|
| 所在地 | 京都府京都市伏見区 |
| 問い合わせ先 | 075-622-8758 | 伏見観光協会 |
| 休業日 | - |
| 料金 | - |
| 駐車場 | - |
| 公式サイト | ー |
| wikipedia | ー |
| 食べログ | |
| トリップアドバイザー | https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g298564-d1951665-Reviews-Fushimi_Suigo-Kyoto_Kyoto_Prefecture_Kinki.html |
| LAST VISIT | 202509 |
※掲載のデータは当ページ更新時点でのものです。以後の変更や詳細な情報につきましては、ご自身でお問い合わせの上ご確認いただきますよう、あらかじめご了承ください。
情報更新日:2026年1月





