相国寺
しょうこくじ □京都府京都市




<貴重な美術と出会う、禅宗の古刹。>
京都の相国寺は、臨済宗の大本山であり、深い歴史と文化を誇る禅宗の名刹です。美しい庭園、壮大な法堂、そして天井に描かれた「蟠龍図」など、見どころが豊富。金閣寺や銀閣寺といった有名寺院ともつながりがあります。本記事では、相国寺の魅力、アクセス、特別拝観の詳細、さらに実際に訪れて分かったおすすめ情報を詳しく紹介します。
所要時間:60〜90分(参拝・見学)
貴重な美術と出会う、禅宗の古刹。
相国寺は京都御所の北側に広大な境内を持つ、京都を代表する大寺院のひとつ。正式名称は「萬年山相国承天禅寺」といいます。臨済宗相国寺派の大本山で、禅宗の格式高い「京都五山」の第二位に位置しています。室町幕府第3代将軍の足利義満により1392年に創建、武家社会との深いつながりとともに隆盛し、今日に至る歴史を紡いできました。かつてはなんと高さ109mもの七重の大塔も聳えていたといいます。
また世界的にも有名な金閣寺(鹿苑寺)、銀閣寺(慈照寺)は、実はこの相国寺の山外塔頭です。金閣寺は相国寺と同時期に足利義満によって、銀閣寺は8代将軍足利義政によって創建され、今は相国寺の僧侶が住職を務めています。

相国寺は京都を代表する大寺院のひとつ。正式名称は「萬年山相国承天禅寺」で、臨済宗相国寺派の大本山とされる。
巨大な鐘楼、「洪音楼」。
かつては隣接する同志社大学なども境内地だったそうですが、それでも境内は広大です。南側にある「総門」から境内へと進みます。総門のすぐ横により立派な「勅使門」がありますが、そちらは普段開けられることはありません。参道は真っ直ぐ伸びていて、左手には大きな放生池と松林があります。少し進むと右手にあるのが、驚くほど巨大な鐘楼。「洪音楼」という名前が付いていて、1843年に再建された袴腰付鐘楼です。組物なども見事で、存在感を放っています。その両脇には「弁天社」と「宗旦稲荷社」が鎮座し、周囲には独特の雰囲気が漂っています。

驚くほど巨大な鐘楼は「洪音楼」。1843年に再建されたもので、見事な存在感を放っている。

1797年再建の総門。

広大な境内を誇っている。

数多くの塔頭のひとつ「光源院」。

芸能の神様として敬われる「弁天社」。
相国寺の本堂を兼ねる、壮大な「法堂」。
この日は春の特別拝観の期間。「法堂」「方丈」「開山堂」を順番に拝観します。
まずは「法堂」へ。「はっとう」と読みます。法堂は正面28.72m、側面22.80mという巨大なお堂。焼失などで5代目の再建で、1605年に豊臣秀頼の寄進によるものです。法堂というのは禅宗独特の呼び方で、僧侶が講話を施す講堂にあたります。また相国寺には仏堂がないため、法堂が本堂を兼ねており、運慶作と伝わるご本尊「釈迦如来像」、脇持として左に「阿難尊者像」右に「迦葉尊者像」が、かなりの高さがある須弥壇に安置されています。

「法堂」は正面28.72m、側面22.80mという巨大なお堂。5代目の再建で、1605年に豊臣秀頼の寄進によるもの。

相国寺では法堂が本堂を兼ねている。

宗旦狐の伝説が残る「宗旦稲荷社」。
天井に描かれた、龍の絵「蟠龍図」。
そして法堂の内部は圧巻の大空間です。堂内の柱はできるだけ端に集められ、中央の空間がかなり広く取られています。その柱に支えられた空間は高さ約13mもあり、天井は板を均一に並べた「鏡天井」と呼ばれるもの。そしてその鏡天井に、驚くべきものが描かれています。それは直径9mの円と、その中で激しい動きを見せる龍の絵。「蟠龍図」と呼ばれるそれは狩野光信によるもので、400年以上経た今でも色彩鮮やかに、そして見事なまでに躍動感を放ちます。その龍の眼差しはどこから見上げても目が合うとされ、実際にそれが体験できます。また手を打つと驚くほど堂内に反響して聞こえる特定の場所があり、それも体験。そのことからこの龍は「鳴き龍」とも呼ばれています。また今回の特別拝観で初めて公開された法堂内の「日牌と月牌」、「花天井」も特に印象に残りました。

法堂内の鏡天井には直径9mの円とその中で激しい動きを見せる龍の絵、狩野光信による「蟠龍図」はまさに傑作。

背の高い須弥壇には本尊釈迦如来が安置される。

かなり大きな塔頭である「大光明寺」。
「方丈」は、襖絵と庭園が美しい。
次に「方丈」。方丈は1807年に再建された建物で、表方丈・裏方丈合わせて168畳もの広さを誇ります。「竹の間」「梅の間」「御所移しの間」など6つの部屋それぞれに原在中や維明周奎といった江戸時代の高名な絵師による襖絵が鑑賞できます。遠塵齋によって描かれた「法華観音図」の掛け軸も見事。これは法華経の文字のみを用いて観音様を表現した傑作です。
また白砂が敷かれその先にある法堂を美しく見せる方丈前庭、さらに方丈の裏側にある川の流れとともにモミジや若松が織りなす方丈裏庭園なども見ごたえがあります。

方丈は1807年に再建された建物で、「竹の間」「梅の間」「御所移しの間」など6つの部屋がある。

それぞれの部屋で江戸時代の襖絵が鑑賞できる。

縁側の襖に描かれた白象図。

遠塵齋によって描かれた「法華観音図」の写し。

方丈の裏手にある庭園も見どころ。
開山堂では、絶景の庭園「龍渕水の庭」。
特別拝観の最後は「開山堂」。開山堂は足利義満の命を受け相国寺を開山した夢窓疎石の像を祀るお堂。その南側に広がる庭園「龍渕水の庭」の美しさで知られています。奥に豊富な樹木に覆われた築山、手前には枯山水庭園があり、それらが一体として絶景を作り出しています。龍渕水の庭は開山堂の縁側を歩いて眺められます。また堂内の入口付近の襖に描かれている、円山応挙作と伝わる愛嬌あふれる犬の絵も必見です。

「開山堂」はその南側に広がる庭園「龍渕水の庭」の美しさで知られている。相国寺を開山した夢窓疎石の像を祀っている。

築山と枯山水が美しい庭園。

1596年の再建で宣明とも呼ばれる「浴室」。

境内社である「弁天社」の本殿。

方丈内の廊下にある釣り鐘。
壮大なる、美の共演。
相国寺の見どころはまだまだあります。1596年の再建でサウナのような蒸気浴ができたという「浴室」。大きな美しい三角形のシルエットが印象的な「庫裏(香積院)」。特徴的な外観の「宝塔」。さらに大光明寺や慈雲院をはじめとする数々の塔頭。いずれも江戸時代の建築物が多いのですが、本当に古さを感じさせない洗練された美を保っています。
また勅使門、法堂、方丈が一直線に並ぶ禅宗特有の伽藍の美しさ。それらを取り囲むように生い茂る松林にも魅了されます。とにかく壮大な美の共演を見ているようなのです。

大きな美しい三角形のシルエットが印象的な「庫裏(香積院)」。建物は方丈と繋がっている。
時空を超えた美意識に浸る。
さらに相国寺だけでなく金閣寺、銀閣寺も含めた数多くの寺宝を、境内にある「承天閣美術館」で見ることができます。この時は時間の都合で見られなかったのですが、次は必ず訪れたい美術館です。
ということで相国寺のことについては、到底このページだけでは伝えきれそうにありません。でもとにかく言えるのは、相国寺ではその歴史とともに、数多くの貴重な美術と出会えること。それはもはや相国寺と一心同体で切り離して見ることはできないほどです。訪れた人はその中に身を置き、時空を超えた美意識に浸ることができるのです。

金閣寺、銀閣寺も含めた数多くの寺宝を、境内にある「承天閣美術館」で見ることができる。

境内にある「後水尾天皇髪歯塚」。

1860年に建立された「経蔵」。
photo.
アクセスマップと交通アクセス
■公共交通機関をご利用の場合
- 地下鉄:烏丸線「今出川駅」下車、3番出口より徒歩約8分
- 市バス:
- 烏丸今出川停下車 徒歩約5分(51、59、102、203系統)
- 同志社前停下車 徒歩約5分(59、201、203系統)
- 京都駅からなら26系統「相国寺北門前」下車すぐ(所要約45分・230円)
- 京阪出町柳方面から:京阪出町柳駅から徒歩約20分
■車をご利用の場合
- 境内に専用駐車場はありません。
- 周辺に有料駐車場あり(例:くるっとパーク相国寺門前町第3など、徒歩約3〜5分・最大料金約1,000円)
- 京都東ICから名神経由で約8km/30分(大阪・京都南ICからも30分程度)
詳細情報
| 名称 | 相国寺 |
|---|---|
| 所在地 | 京都府京都市上京区今出川通烏丸東入相国寺門前町701 |
| 問い合わせ先 | 075-231-0301 | 相国寺 |
| 休業日 | - |
| 料金 | - |
| 駐車場 | - |
| 公式サイト | https://www.shokoku-ji.jp/ |
| wikipedia | https://ja.wikipedia.org/wiki/相国寺 |
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情報更新日:2026年1月





