京都市考古資料館

きょうとしこうこしりょうかん　□京都府京都市

風格ある洋館と、西陣発祥の地。

京都市考古資料館はいわゆる「西陣」エリアにある資料館で、今出川通に面して建っています。それほど大きくはなく、また多くの観光客が来るような施設ではありませんが、そんな京都市考古資料館を訪ねてみようと思ったのは、ひとつはこの建物が大正時代に建てられた風格ある洋館であること。そしてもうひとつはこの場所が応仁の乱で山名宗全率いる西軍陣地の本拠だったことです。

京都市考古資料館は西陣と呼ばれるエリア、今出川通に面している。建物は大正時代に建てられた風格ある洋館。

1914年に建てられた、歴史ある洋館。

建物は1914年に建てられた歴史ある洋館で、「旧西陣織物館」として使われてきました。現在では京都市の登録有形文化財に登録されています。派手さはないものの、レトロで落ち着いた外観。正面の玄関ポーチのデザインや装飾に時代を感じます。内部も昔ながらの鉄筋コンクリート造に特有の圧迫感とか匂いとか、これぞ大正時代の洋風建築といった趣きが素敵です。1階と2階が展示室になっていて、京都市で発掘された土器や食器、装飾具など約1,000点が展示されています。京都市埋蔵文化財研究所が運営する、入館は無料というありがたい資料館です。1979年に開設されました。

1914年に建てられ、「旧西陣織物館」として1976年まで使われた。大正時代の洋風建築といった趣きが素敵。

時代を感じる玄関ポーチの意匠。

派手さはないもののレトロで落ち着いた外観。

雅ではない、京都の「普通の」歴史。

京都で土器と言えば、なんだかイメージがつきません。平安時代以降、約1,000年に渡って日本の都だった京都で博物館といえば、豪華な宝物や武具、仏像や絵画など、煌びやかな文化を想像しがちだからです。でも当然ながらその前には旧石器時代から続く日本人の暮らしがあり、この都の地下にもたくさんその痕跡が残されているわけです。京都市考古資料館で触れられるのは、風雅ではなかったかもしれない、京都の「普通の」暮らしです。

1階と2階が展示室になっていて、京都市で発掘された土器や食器、装飾具など約1,000点が展示されている。

派手な展示物がない分、「本当の京都」が見えてくる気がする。

本能寺で使われていた鬼瓦。

古墳時代以降の土器も展示されている。

様々なデザインがある刀の鍔（つば）。

応仁の乱で、西軍の本拠地だった。

それともうひとつのトピックス、この場所が応仁の乱の西軍の本拠地だったということ。正面入口の右手に、石碑が建っています。そこには「西陣」という大きな文字が。京都の大部分が著しく荒廃することになった、室町時代に勃発し11年にも及んだ応仁の乱。西軍を率いた山名宗全が西軍の陣地を置いたことから、このあたりは今でも「西陣」という有名な地名として残っているのです。
もちろん周辺は「西陣織」の生産で有名なエリア。少し路地へ入れば、今でも機織りの音が聞こえてきそうな風情ある町並みが広がっています。

この地は応仁の乱の際、山名宗全が西軍の陣地を置いたことから「西陣」という地名の発祥地と言われている。

photo.

アクセスマップ

詳細情報

名称	京都市考古資料館
所在地	京都府京都市上京区元伊佐町265-1
問い合わせ先	075-432-3245 ｜京都市考古資料館
休業日	月曜、年末年始12月28日～1月3日
料金	入館無料
駐車場	-
公式サイト	https://www.kyoto-arc.or.jp/museum/
wikipedia	https://ja.wikipedia.org/wiki/京都市考古資料館
食べログ	－
トリップアドバイザー	https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g298564-d8149408-Reviews-Kyoto_City_Archaeological_Museum-Kyoto_Kyoto_Prefecture_Kinki.html
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