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ヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅) ヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅)

ヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅)

よどこうげいひんかん・きゅうやまむらけじゅうたく □兵庫県芦屋市
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POINT

<唯一無二、フランク・ロイド・ライトの傑作。>
兵庫県芦屋市にある「ヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅)」は、近代建築の巨匠フランク・ロイド・ライトが設計した傑作で、国の重要文化財に指定されています。自然と調和する有機的建築や大谷石を使った意匠、芦屋の街並みと大阪湾を望む絶景が魅力。本記事では、ヨドコウ迎賓館の歴史や見どころ、アクセス、実際に訪れて分かったおすすめ情報を詳しく紹介します。

KEYWORD

#兵庫県 #芦屋市 #近代建築 #西洋建築 #重要文化財 #洋館 #眺望 #オススメ

TIME

所要時間:60〜90分(見学)

唯一無二、フランク・ロイド・ライトの傑作。

家から歩いて行ける距離なのに、一度も訪ねることができていなかった「ヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅)」。日常生活で横を通ることも多くて、小高い丘の上に明らかに名建築と分かるデザインで佇む建物はいつも気になっていました。ある夏の晴れた日、ようやくその機会を作ってヨドコウ迎賓館を見学しました。

ヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅)

「ヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅)」は芦屋市にある、巨匠フランク・ロイド・ライトが残した住宅建築の傑作。

ヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅) ヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅)

1998年から一般公開されている。

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芦屋川畔の高台に建っている。

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芦屋の街と大阪湾を一望する立地。

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モダンな建築デザインの世界に浸る。

設計したのは、近代建築の三大巨匠。

設計はフランク・ロイド・ライト。まず彼のことを知らねばなりません。1900年代前半を中心に世界で活躍し、ル・コルビュジェらとともに「近代建築の三大巨匠」にも数えられる偉大な建築家。その作品のうち8件が世界遺産となった、まさに巨匠中の巨匠です。日本では「ヨドコウ迎賓館」のほかに「旧帝国ホテル」「自由学園明日館」「旧林愛作邸」の合わせて4棟が現存しています。彼は“周囲の自然環境と融和し、豊かな人間性を保証する建築”こそを理想であるとし、“有機的建築”を提唱。多くの課題を抱える現代への提言であったかのように、その考え方はあらためて評価されています。

ヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅)

フランク・ロイド・ライトは「近代建築の三大巨匠」にも数えられる偉大な建築家。“有機的建築”を提唱した。

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館内に展示されている敷地模型。

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菱形の窓に切り取られた風景。

モダンな街並みにも、六甲山の山並みにも融合する。

もちろん、このヨドコウ迎賓館も同じコンセプトのもとに設計されました。芦屋川から切り立ったように聳える高台の森に敷地があるため、建物はまずその山肌に合わせて階段状に建てられました。また建物はもともとあった森に埋もれるように、さらに鉄筋コンクリート構造でもできるだけそこにある自然に融合するように、デザインや仕上げ素材などは特に意識されて設計されました。その結果、阪神間のモダンな街並みにも六甲山の山並みにも見事に融和した、稀有の建築物として産み出されたのです。

ヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅)

できるだけそこにある自然に融合するように、デザインや仕上げ素材などは特に意識されて設計された。

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どんなひとコマにも物語がある。

ヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅) ヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅)

底知れぬ独自の世界観に満ちている。

鉄筋コンクリートの住宅建築として、初めて国の重文に。

ヨドコウ迎賓館は神戸で造り酒屋を営む山邑家の別邸として、1924年(大正7年)に竣工。1947年に淀川製鋼所が社長宅として購入し、その後貸家や独身寮などとして使われました。老朽化したため一時はマンションへの建替も検討されたそうですが、1974年に鉄筋コンクリート造の住宅建築として初めて国の重要文化財に指定されたことから、保存修理工事を経て1998年に一般公開されました。フランク・ロイド・ライトの設計した建築物で、当初の姿をほぼ完全に残す貴重な住宅建築として多くの人が見学に訪れています。

ヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅)

神戸で造り酒屋を営む山邑家の別邸として、1924年(大正7年)に竣工。1947年に淀川製鋼所が社長宅として購入した。

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3階にある大きな和室。

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洗面所さえデザインはぬかりない。

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3階に設けられた浴室。

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とにかく光の切り取り方が美しい。

日本の名石、大谷石が活かされている。

敷地に入った瞬間、ロイドの建築世界に引き込まれます。車寄せと玄関は幾何学的な彫刻を施した大谷石が多用され、独特の世界観が創り出されています。大谷石はロイドが好んで使った表情豊かな石で、私も一度栃木県宇都宮市の地下採石場を訪ねたことがあります。加工がしやすく経年による変化も特徴で、“有機的建築”を追求したロイドにとっては格好の素材だったのかもしれません。
玄関ドアの横には大谷石がくり抜かれた水盤があり、金魚とメダカが暮らしています。1階は受付のみで、館内の見学は2階からがメインです。

ヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅)

大谷石はロイドが好んで使った表情豊かな石。特に玄関周りにはその世界観が色濃く反映されている。

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縦を強調された外観南面のデザイン。

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幾何学的な彫刻を施した大谷石。

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向かって左側がメインの玄関。

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玄関横は大谷石を用いた水盤になっている。

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以前訪れた、宇都宮にある大谷石採石場。

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地下深くに幻想的な空間があった。

見事な想像的空間、2階の応接室。

2階にはまず「応接室」。ガイドブックなどでもよく目にするヨドコウ迎賓館ハイライトのひとつです。縦長の部屋の左右には大きな一枚もののガラス窓、そこには豊かな木々がカーテンのように見えて、まるで森と一体となるような感覚を起こさせます。
複雑なマホガニーの木組み、自由に彫刻された大谷石、植物の葉をモチーフとした飾り銅板、そして躯体となるコンクリートが縦横無尽に組み合わされた、創造的な空間は見事としか言いようのない素晴らしいもの。一番南側には空と海を向いた窓があり、まるで額縁に入れた絵画のように風景が楽しめます。

ヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅)

2階にある「応接室」。ヨドコウ迎賓館のハイライトのひとつで、マホガニーの木組みと彫刻された大谷石が織りなす独創的な空間。

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見事な空間美に圧倒される。

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大谷石で組み上げた暖炉。

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どこを切り取っても美しいシーンがある。

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植物の葉をモチーフとした飾り銅板。

きめ細やかな、ロイドの建築デザイン。

3階は建物の中で最も床面積が多い階。ひと続きになった3つの和室、書斎、婦人室の他に、洗面室や浴室もあります。また奥にある洋室2室は売店と映像コーナーとして使われています。最も海側の洋間には建物模型の展示もあります。それぞれの部屋の細部を見ていくと洗面台の水切りにガラス棒が使われたり、細かなタイル張りの浴槽、和室の欄間には飾り銅板など、きめ細やかなロイドの建築デザインに対するこだわりが見えてきます。
しかし3階の一番の見どころは「廊下」です。西側に配置された長い廊下は縦長のガラス窓が連続し、窓の外にはやはり緑の木々が生い茂っています。またここにも窓にも飾り銅板が多用され、それによって廊下に差し込む西日による影模様も計算されているのだとか。

ヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅)

3階の一番の見どころは「廊下」。西側に配置された長い廊下は縦長のガラス窓が連続し、窓の外にはやはり緑の木々が生い茂る。

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3階奥にある映像コーナー。

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洋室のひとつには売店が設けられている。

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3階の南側に面した「書斎」。

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書斎を少しだけ見下ろす位置にある「婦人室」。

圧巻の眺望が楽しめるバルコニー。

最上階となる4階はダイニングルーム。天井はかなり高く、三角形の小窓が並ぶ様子はさながら教会のようでもあります。奥には大きなキッチン室。厨房と言えるほど広くて、大人数のパーティーでも対応できそう。
そして4階からは、バルコニーに出ることもできます。バルコニーもこの丘の形を捉えて段差が設けられています。南北に細長く、かなりの広さがあります。丘の上にあるため空へ飛び出すような感覚は、まさに船の舳先に立ったかのようです。芦屋市街地を見下ろすことはもちろん、六甲の山並みや大阪湾を見渡せる素晴らしい眺望が楽しめます。こんなところに住んでいたなんて、何という贅沢。真夏にしては空気も澄んでいた日で、白い雲も大阪の街並みもすべてが鮮明に見えました。

ヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅)

4階からは、バルコニーに出ることもできる。出入口となる塔屋のデザインがまた素晴らしい。

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最上階となる4階の「ダイニングルーム」。

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バルコニーから建物を見る。

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丘の上にあるため空へ飛び出すような眺望。

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細部まで徹底的にデザインされている。

ロイドの世界に、陶酔する。

それにしてもロイドが随所に仕込んだ装飾には驚きました。応接室をはじめほとんどの部屋に壁の天井近くに明かり取り用の小窓が設けられていて、その数は120以上にもなるといいます。また随所に見られる飾り銅板は時とともに緑青を纏い、趣きあるアクセントとなっています。迷路のように入り組んだ立体的な空間、窓には必ずもうひとつのデザイン要素が加えられている、洋風のデザインの中にも必ず忘れられていない和風のアクセント。それから廊下に突然天窓があったり、梁がわざわざ斜めに盛られていたり。機能的なのか遊び心なのか分からない、細かすぎるけどよく考えたら斬新な意匠が随所に散りばめられていて、見ていて本当に楽しい建築デザインでした。大正時代に建てられ、当時からオール電化だったことも衝撃です。

ヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅)

ほとんどの部屋に壁の天井近くに明かり取り用の小窓が設けられていて、その数は120以上にもなるという。

ヨドコウ迎賓館は今も「生きている」

とにかく素晴らしい建築。私はその分野において無知で無学ではありますが、それでも特別な世界が達成されていることは肌感覚で分かります。たまたまその近くに住んでいますが、わざわざ遠方から見学に来る価値は十二分にある傑作だと思います。
緑青を纏った飾り銅板や経年変化する大谷石は、ヨドコウ迎賓館が今も「生きている」ようです。さまざまな変化を見せながらも、ロイドが描いた建築思想はこれからも永遠に語り継がれます。

ヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅)

4階のダイニングルーム。天井はかなり高く、三角形の小窓が並ぶ様子はさながら教会のようでもある。

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photo.

アクセスマップと交通アクセス

 

■公共交通機関でのアクセス

 
       
  • JR神戸線:      
             
    • 「芦屋駅」から徒歩約10分です。
    •      
       
  •    
  • 阪急神戸線:      
             
    • 「芦屋川駅」から徒歩約10分です。
    •      
       
  •    
  • 阪神本線:      
             
    • 「芦屋駅」から徒歩約15分です。
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■車でのアクセス

 
       
  • 阪神高速3号神戸線「芦屋IC」、または国道43号線「打出交差点」から北へ約3 kmです。
  •    
  • 駐車スペースはございません。お近くの有料駐車場をご利用ください。
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詳細情報

名称 ヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅)
所在地 兵庫県芦屋市山手町3-10
問い合わせ先 0797-38-1720 | ヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅)
休業日 月・火・木・金
料金 大人:500円、小・中・高校生:200円、シニア割引(65歳以上):400円
駐車場 無料駐車場
公式サイト https://www.yodoko-geihinkan.jp/
wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/旧山邑家住宅
食べログ
トリップアドバイザー https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g1022820-d1384559-Reviews-Yodoko_Guesthouse-Ashiya_Hyogo_Prefecture_Kinki.html
LAST VISIT 202507

※掲載のデータは当ページ更新時点でのものです。以後の変更や詳細な情報につきましては、ご自身でお問い合わせの上ご確認いただきますよう、あらかじめご了承ください。
情報更新日:2026年1月

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