名門大洋フェリー
めいもんたいようふぇりー □福岡県北九州市~大阪府大阪市





<いつもと違う、船旅の思い出。>
大阪から北九州への船旅を楽しむなら「名門大洋フェリー」がおすすめ。夜に出航し朝に到着するので、時間を有効に使えます。船内は清潔で快適な動くホテルのよう。デッキからは明石海峡大橋や瀬戸大橋、夜景など、美しい景色を堪能できます。時間をかけて移動する船旅は、いつもと違う特別な思い出になるでしょう。本記事では、名門大洋フェリーの魅力やアクセス、そして実際に訪ねて分かったオススメ情報などを詳しく紹介します。
所要時間:12〜13時間(見学)
いつもと違う、船旅の思い出。
ここ10年以上乗っていなかった長距離航路のフェリー。ふとまた乗ってみたくなり、福岡への旅路に使うことにしました。今までは「さんふらわあ」「阪九フェリー」で九州へ渡ったことがありますが、今回は大阪南港から北九州市の新門司港への航路を持つ「名門大洋フェリー」に乗船します。距離は458km。大阪市内からニュートラムで「フェリーターミナル」駅で下車、そこからデッキで直結のターミナルから巨大なフェリーに乗船します。
この日は平日ですが春休みで、船内はかなりの人。以前はガラガラだった記憶がありますが、この賑わいには驚きました。家族連れや若者グループから外国人観光客、大学の野球部や熟年カップル、ほんとに多様な乗客で賑わっています。

大阪南港から北九州市の新門司港への航路を持つ「名門大洋フェリー」。大阪南港フェリーターミナルから毎日2便が出航している。


今回は「フェリーきょうと」に乗船。


458kmの距離を12時間半で結ぶ長距離航路。
全長195m、「フェリーきょうと」。
この日は「フェリーきょうと」という、まだ就航して4年ほどの新しい船。清潔で明るいし、とても過ごしやすい船です。全長は195mあり、旅客定員は675名、乗用車とトラック合わせて約300台を積み込めるという大型船です。
いつ見ても大きな船の迫力はすごいです。久々にワクワクした気持ちを抱えて、船は19:50に出航しました。船のどこかにあるエンジンの振動が小気味よく伝わってきます。

全長は195mあり、旅客定員は675名、乗用車とトラック合わせて約300台を積み込めるという大型フェリー。


左側に停泊中は四国へ向かう「オレンジフェリー」。


船内中央にあるメイン階段。


船内はまるでホテルのよう。


今回は「ファーストS」という1人用の個室。
動くホテルのような、その非日常感。
船が動き出した時、私は風呂に浸かっていました。窓から外の景色が見える特等席で。蛍の光が流れていて、私は旅に出かけます。なんだか特別な瞬間を体感している気がして、感慨深く湯船に浸かっています。
風呂から上がり、船内を探検します。レストラン、売店、ゲームコーナー、キッズコーナーなどの施設が充実しています。まさに動くホテルのように、その非日常感を楽しみます。展望ラウンジもおすすめ。今日は「プロムナード」と名付けられた窓際のカウンターに座って晩酌です。

海が見えるラウンジ。他にもレストラン、売店、ゲームコーナー、キッズコーナーなどの施設が充実している。


船の中央部にあるインフォメーションカウンター。


夜遅くまで営業している便利な売店。


海を見ながら食事もできるプロムナード。


ゆったりと湯に浸かれた展望浴室。
デッキから見上げる、明石海峡大橋。
しばらくすると「明石海峡大橋」をくぐります。船尾のデッキには大勢の人が集まっています。夜になると海を渡る風はかなり強くなります。カメラを構えても手ブレてして上手く撮れないほど。自分が住む神戸の街も海を隔てた夜景として見え、そこを通り過ぎていくのはなんだか贅沢な気分がしました。明石海峡を抜けると船の中に戻って、また晩酌の続きです。
今回は「ファーストS」という1人用の個室です。小さめですがベッドと机、洗面所が付いていてかなり快適。でも窓がないので、晩酌は引き続きプロムナードです。

出航から1時間少しで、船は明石海峡大橋の真下を通る。船尾のデッキには大勢の人が集まっていた。


あらためて明石海峡大橋の大きさを実感する。


船の最後尾で遠ざかる明石海峡大橋を眺める。
夜闇に浮かび上がる、屋島と瀬戸大橋。
真っ暗な海を船は進みます。お酒の酔いも深まってきました。ふと再びデッキに出てみると、たまたま見えたのは高松の屋島でした。「メサ」と呼ばれる独特の台地状の地形が、高松の街の明かりを背にくっきりとシルエットを浮かび上がらせていました。
やがて「瀬戸大橋」をくぐる瞬間。デッキに出た瞬間、瀬戸大橋を電車が走っていました。空を飛ぶ銀河鉄道999のようで不思議な感覚でした。そのまましばらく、夜の海を眺めていました。すると思ったよりも夜の海を航行する船が多いことに気づきます。それらは皆このフェリーよりも速いスピードで進んでいて、近づいては離れて、追い越したり横切ったり。夜中の真っ暗闇の中で、船の灯りだけが動いているのは少し不思議な世界でした。

「メサ」と呼ばれる独特の台地状の地形が印象的な「屋島」。高松の街の明かりを背にくっきりとシルエットを浮かび上がらせていた。


日付が変わった頃、今度は瀬戸大橋をくぐる。


夜の中を走る列車は、空を飛んでいるようだった。
夜には見えなかった景色が、そこに。
もうひとつの有名な吊り橋「来島海峡大橋」をくぐる瞬間も見たかったのですが、2:50ということで断念。実は名門大洋フェリーは毎日2便運航していて、17:30出航の便だと見やすいのかも。また瀬戸内海の夕陽も見られるそうです。
朝日は見ようと再びデッキに出てみましたが、海上の靄でそれほど印象的なものではありません。でも夜には見えなかった景色がそこにはあり、なにか新しい日が幕を開けたのをつかみ取る感覚。新鮮な風景でした。

夜明けを見に甲板に出てみると、夜には見えなかった景色がそこにあった。新しい1日が幕を開けたことが感じられた。


早朝の甲板は人気も少なくとても静か。


朝の瀬戸内海には濃い靄がかかっていた。


東に向かって、航跡が長く伸びている。


靄に包まれたまま、朝日が昇っていく。
時間をかけて、移動する価値がある船旅。
朝食はレストランでバイキング形式。窓際のカウンター席で朝の瀬戸内海を見ながらいただきます。そして12時間半の気長な船旅は終わりを迎えようとしています。わざわざそんなに時間をかけて移動する価値がある船旅。速いだけがいいことではないと、あらためて気付かされるのです。
やがて船は新門司港に到着です。外に出てみると、想像していた風景(門司港レトロと関門橋)とは全然違って驚きました。それは私の勘違いで、門司港と新門司港は約9kmも離れた別の港だったわけです。でも新門司港からは無料のバスが門司駅、小倉駅まで走っています。そのバスに乗り、門司駅から門司港を目指すことにしました。

朝食はレストランでバイキング形式。窓際のカウンター席で朝の瀬戸内海を見ながらいただく。


朝8:30に新門司港に到着した。


トラックや乗用車も一斉に下船していく。


新門司港は門司港から約9kmも離れている。


新門司港から無料バスが門司駅、小倉駅まで走る。
「名門」についての、豆知識。
ちなみに名門大洋フェリーの「名門」についての豆知識。名門フェリーと大洋フェリーという2社が1986年に合併したのですが、その名門フェリーの航路が名古屋「名」と門司「門」から命名されています。意外でした。
というわけで、かなり楽しめた名門大洋フェリーの旅。夜に出て朝に着くので、特に車で九州を目指す時などは時間の使い方としてもとても有効です。

12時間半の気長な船旅。わざわざそんなに時間をかけて移動する価値があるフェリーの旅だった。


エントランスホールの壁面デザイン。


船の現在地はモニターで確認できる。


明石海峡大橋、瀬戸大橋、来島海峡大橋が見られる。


船内にあるゲームコーナー。
photo.
アクセスマップ
■公共交通機関でのアクセス
- 大阪南港(大阪側)
- ニュートラム
「フェリーターミナル駅」から徒歩約4〜5分。改札から屋根続きで雨天でも安心です。 - 大阪市営・南海バス「南港フェリーターミナル」停より徒歩1分。
- ニュートラム
- 新門司港(福岡側)
- JR小倉駅・門司駅からフェリー発着に合わせた無料送迎バス有り。乗車時間約20〜40分。
■車でのアクセス
- 大阪南港側: 阪神高速4号湾岸線「南港南出口」から約10分。ターミナル前ロータリーに駐車場約50台—最初120分200円、以降60分毎100円(当日内最大500円)。
- 新門司港側: ターミナル前に「Times」駐車場約100台。最初3時間無料、以降60分110円。
詳細情報
名称 | 名門大洋フェリー |
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所在地 | 大阪府大阪市西区江戸堀1-9-6 |
問い合わせ先 | 093-481-3338 | 名門大洋フェリー旅客予約センター |
休業日 | - |
料金 | - |
駐車場 | - |
公式サイト | https://www.cityline.co.jp/ |
wikipedia | https://ja.wikipedia.org/wiki/名門大洋フェリー |
食べログ | - |
トリップアドバイザー | https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g298566-d11725741-Reviews-Meimon_Taiyo_Ferry-Osaka_Osaka_Prefecture_Kinki.html |
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