新開地
しんかいち □兵庫県神戸市




<根底を流れるものは、変わっていない。>
神戸のディープスポット「新開地」は、戦前は西日本随一の歓楽街として栄え、現在も独特の人間臭さと昭和レトロ感が漂う街。演芸場「喜楽館」やアート拠点、昔ながらの立ち飲み屋など見どころ満載です。本記事では、新開地の歴史や街歩きの楽しみ方、アクセス、実際に訪ねて分かったおすすめ情報を詳しく紹介します。
所要時間:45〜60分(散策・買い物)
根底を流れるものは、変わっていない。
神戸周辺に住んで長くなりますが、昔から謎めいてあまり関わりがなかった街・新開地。学生時代は怖いイメージで近寄りがたい場所でした。少し前に湊川公園を訪ねた時に、特に戦前賑わっていた街の様子を知り、あらためて新開地の街を歩いてみることにしました。戦前の華やかなりし日々の面影と、戦後以降の盛衰の跡を探して。そしてそこには、良い意味でも残念な意味でも、想像通りと想像とは違う両面が見られました。

戦前の華やかなりし日々の面影と戦後以降の盛衰の跡を探して、あらためて新開地を歩いてみることにした。

はじまりは、新開地一丁目。

湊川公園にある楠木正成像。
戦前、新開地は絶頂期を迎えていた。
新開地はかつて「東の浅草、西の新開地」と謳われるほどの一大歓楽街でした。福原遊廓が近いこともあり、明治以降に繁華街として発展。特に大正から昭和にかけては劇場や映画館、芝居小屋、寄席などありとあらゆる娯楽が集結します。1924年には高さ90mで日本の三大望楼とも称された「神戸タワー」が完成し、新開地はまさに絶頂期を迎えます。劇場だけでも年間400万人を動員し、スケート場や水族館までがあったというまさに神戸市民のパラダイスだったのです。

特に大正から昭和にかけては「東の浅草、西の新開地」と謳われるほどの一大歓楽街だった。
戦後、街は色を失っていった。
しかしそんな新開地にとって、太平洋戦争と戦後政策の影響は甚大なものでした。まず空襲で街は焼け野原に。戦後は復興しようにも占領軍の駐屯地となり、1955年まで手付かずの状態でした。失われた10年の時間は大きく、その間に神戸市の中心は三宮方面へ移り、1957年には売春防止法施行に伴い隣接する福原の遊廓が消滅します。かつて新開地を賑わせていた何もかもが斜陽となり、街は色を失っていきます。
遊廓の後に残った風俗街、ピンク映画館、日雇い労働者、ホームレス、反社…それからの新開地は、世の中にこぼれ落ちた何もかもが集まるような、暗く重たい街になってしまいました。私が初めて新開地を知った1990年代も、おそらくそのイメージが多分に残っている時期だったと思います。

空襲で街は焼け野原に。戦後は復興しようにも占領軍の駐屯地となり、神戸市の中心は三宮へ移った。

濃い街の名残は今でもあちらこちらに。

商店街の中にある「湊川修道館」。
震災復興とともに、街はリメイクされた。
1995年に起きた阪神淡路大震災によって再び街は壊滅し、その後の復興とともに今につながる新しい街づくりがスタートします。1996年には新しい芸術拠点として神戸アートビレッジセンター(現・新開地アートひろば)が開館し、そもそも新開地が発展した理由である演芸やアートといった分野での街おこしが計られました。戦前の新開地の象徴であった巨大映画館「聚楽館」の跡地にも、大きなアミューズメント施設が開業。2018年には上方落語や演芸、音楽、ダンスの上演が楽しめる「喜楽館」もオープンし、新開地は昔とは違う街としてリメイクされています。

1996年に開業した複合文化施設「新開地アートひろば」。街の記憶、演芸やアートといった分野での街おこしが計られている。

大衆演劇専門の劇場として知られる「新開地劇場」。

昔ながらの映画館の装いがある「シネマ神戸」。

「新開地アートひろば」の館内。

上方落語や演芸の上演が楽しめる「喜楽館」。
新開地のDNAは、根底に残っている。
しかし、です。新開地の街が面白いのはここから。歓楽街として名を馳せた、また暗黒に近い街として悪名を轟かせた新開地のDNAは、おとなしくなった今の街並みにも随所に感じられます。競艇の場外馬券売場は昔気質で歩きタバコのおじさんをどんどん吸い込んでいるし、勝った金なのか残った金なのか昼間から立ち飲み屋が大繁盛、ドヤ街のような1泊1500円の激安ホテル、路地裏に並ぶワンカップの空き瓶、中学生みたいな若い子も大人の仲間入りをしています。そこに渦巻くのは人間臭さ。街は綺麗になりつつありますが、根底を流れるものは変わっていないのかもしれません。

歓楽街として名を馳せた、また暗黒に近い街として悪名を轟かせた新開地のDNAは、今の街並みにも随所に感じられる。

ドヤ街のような1泊1500円の激安ホテル。

行き止まりの路地裏にもお店が並ぶ。

この街に渦巻くのは昭和レトロと人間臭さ。

湊川公園の地下にも映画館がある。
“B面の神戸”とも呼ばれている。
それと街を歩いていて気付くのは、とにかくパチンコ屋が多いことです。一般的には苦境に立たされている業界ですが、それはどこ吹く風。小振りなホールから4階まであるパチンコ屋まで、ほんの短い商店街に密集しています。出入りする人も劇的に多くてどの店も大繁盛。行き交う自転車の数も尋常じゃないほどです。街の人々もパッと見でヤンチャな雰囲気。
例えば新世界が観光客に占拠される前の古めかしい雑多感が、今も新開地には残されています。オシャレ、港町、異国情緒といった神戸のイメージを覆す、しかしこれも本当の神戸である新開地。“B面の神戸”という言葉もあるそうで、言い得て妙だと思います。

湊川公園に面した商店街の入口。街は綺麗になりつつありますが、根底を流れるものは変わっていないのかもしれない。

昔から変わらない喫茶店。

神戸の洋食店の代名詞のような「グリル一平」。

いかにも新開地らしい焼きそば専門店。

うどん屋のお客さんは鳩だけだった。
photo.
アクセスマップと交通アクセス
■公共交通機関でのアクセス ― 新開地(駅/商業エリア)
- 複数電車路線利用可:
- 阪急・阪神・山陽・神鉄「新開地駅」下車で直結。
- JR「神戸駅」:
- 駅から徒歩約8分。
■車でのアクセス ― 新開地
- 阪神高速3号神戸線「柳原出入口」より車で約7分。
- 駐車場は周辺に公共・民間駐車場あり(駅近のコインパーキング等)。
詳細情報
| 名称 | 新開地 |
|---|---|
| 所在地 | 兵庫県神戸市兵庫区新開地1丁目~6丁目 |
| 問い合わせ先 | 078-576-1218 | 新開地まちづくりNPO |
| 休業日 | - |
| 料金 | - |
| 駐車場 | - |
| 公式サイト | https://shinkaichi.or.jp/ |
| wikipedia | https://ja.wikipedia.org/wiki/新開地 |
| 食べログ | |
| トリップアドバイザー | https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g298562-d2626574-Reviews-Kobe_Shinkaichi_Area-Kobe_Hyogo_Prefecture_Kinki.html |
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情報更新日:2026年1月





