枚岡神社
ひらおかじんじゃ □大阪府東大阪市





<神秘を纏う、河内国一宮。>
大阪平野の東端、生駒山の麓にある「枚岡神社」は、2600年以上の歴史を誇る「元春日」です。奈良の春日大社と縁が深く、神秘的な雰囲気に満ちています。境内には清らかな湧き水が流れ、神聖な森を育んでいます。また、隣接する枚岡梅林は、春の訪れを感じさせる梅の名所です。本記事では、枚岡神社の魅力やアクセス、そして実際に訪ねて分かったオススメ情報などを詳しく紹介します。
所要時間:30〜45分(参拝・見学)
神秘を纏う、河内国一宮。
生駒山の麓、大阪平野の東端で山の斜面地に境内を持つ枚岡神社は、創建2600年以上の歴史がある古社。藤原不比等が奈良時代に春日大社を創建した際には、この枚岡神社から天児屋根命・比売御神の2柱を勧請したことから、「元春日」とも呼ばれています。また古くより人々の信仰が厚く、河内国一宮として歴史に名を残す有力な神社です。
すぐ隣にある枚岡梅林の観梅と合わせて、まだ肌寒さの残る3月上旬に訪ねました。

生駒山の麓にある「枚岡神社」は2600年以上の歴史がある古社。奈良の春日大社はこの枚岡神社から2神を勧請して創建された。


近くの公道に立つ石鳥居。


河内国一宮として崇敬を集めてきた。
春日大社と縁が深く、「元春日」とも呼ばれる。
近鉄奈良線の線路脇の道を進んでいると、その道中に大きな石の鳥居があります。それを抜けると、もうひとつ山に向かって二の鳥居が立ち、広い参道が真っ直ぐに山に向かって続いています。進むと急な石段の右手に、珍しい鹿の青銅製像が置かれた手水があります。枚岡神社が元春日と呼ばれることと関係があるのかもしれません。
石段の両側には鬱蒼とした森があり、しっとりとした空気に満ちています。そして感じられる、神聖なオーラ。枚岡神社には普通の神社とはまた違った、厳かな雰囲気が漂っています。

枚岡神社には普通の神社とはまた違った、厳かな雰囲気と雅な風格が漂っている。


鹿の像が複数あり、奈良との関わりも感じられる。


枚岡神社は「元春日」とも呼ばれている。


禊研修を受けると使えるという「禊場」。


歴史ある神社らしく、巨木も多い。
清らかな泉と、厳かな本殿。
石段の上に壮大な拝殿があり、さらにその奥に1826年に再建された春日造4棟が並ぶ本殿があります。これは奈良の春日大社ともよく似た造りで、その関連性がうかがえます。「天児屋根命」を主祭神とし、他に「比売御神」「経津主命」「武甕槌命」の四神を祀っています。そして本殿の前には清水が湛えられた池があります。「照沢池」と呼ばれるこの池は底から水が湧き出しているそうで、隣の若宮社にかけて潤いを生み出しています。とにかく透明感のある美しい水が印象的で、池には大きな鯉も泳いでいます。

石段の上に壮大な拝殿がある。その奥に1826年に再建された春日造4棟が並ぶ本殿がある。


拝殿は1879年に再建された。


拝殿と本殿の間にある中門と透き塀。


池の畔に建つ「飛来天神社」。


一言願えば叶うと言われる「一言主神社」。
豊かな湧水が、神聖な森を育む。
また天押雲根命を祀る「若宮社」の奥には「出雲井」と呼ばれる湧き水、また少し南へ歩いたところにも「白水井」という湧き水があり生駒山からの水の恵みが感じられる境内です。そしてその豊かな水は枚岡神社の土地隅々まで行き渡り、神聖な森を育んでいるのです。
他にも「天神地祇社」「一言主神社」「飛来天神社」などの境内社が並び、あまり聞きなれない社号にも枚岡神社の歴史や特殊性を感じるわけです。

境内には湧き水が豊富で、本殿の前には「てるさわのいけ」と呼ばれる神池がある。清く澄んだ水が美しい。


そばに湧水「出雲井」があり水神とも呼ばれる「若宮神社」。


若宮神社裏手に湧き出す神水「出雲井」。


十九社の末社などが合祀された「天神地祇社」。


眼病改善に効能があると言われる「白水井」。
枚岡梅林は、約200本の梅が咲く名所。
境内の南側には「枚岡梅林」もあります。枚岡神社神宮寺の黄檗宗神護寺が所在した場所で、斜面地に約200本の梅が咲く名所。しかし2015年に梅の木を犯すウイルスが見つかったため、翌年以降に伐採して全て植え替えされたもの。まだ若い木ばかりで往時のような樹勢は見られませんが、風流な春を過ごすには十分なスポットです。
それと毎年1月にその年の豊作を占う「粥占神事」、12月には大きな注連縄を掛け渡し高笑いを行う「注連縄掛神事(お笑い神事)」など、古くからユニークな伝統行事が続いていることも特徴です。

境内の南側に広がる「枚岡梅林」。大阪市内が見渡せる斜面地に約200本の梅が咲く。


ウイルスが発生し2016年に一度伐採された。


改めて植樹された梅の木が育っている。
昔から変わらない、日本人と神社の在り方。
枚岡神社の境内を散策していて感じたことは、先に述べたように清らかな自然と一体となった雰囲気、今風のことばで言うとスピリチュアルな佇まいがひとつ。それともうひとつは、地元の方々で連綿と受け継がれてきた厚い信仰心です。この日も何組も稚児を抱いてお宮参りをする家族がいましたし、老若男女さまざまな人が途絶えることなく参詣されています。私のような観光客風情の者はほどんど見かけなく、純粋に昔からこの神社を知る方々ばかりのように思えました。境内では猿まわしが行われていて、小太鼓の小気味いい音と拍手が聞こえてきます。人々は満面の笑みで、技を繰り出す猿を眺めています。そこには昔から変わらない、日本人と神社の在り方、ありふれた幸福を見た気がします。そしてそれはなんだか私を朗らかで清々しい気持ちにさせてくれたのでした。

枚岡神社で感じたのは清らかな自然と一体となった雰囲気と、昔から変わらない日本人と神社の在り方。
photo.
アクセスマップ
■公共交通機関でのアクセス
- 電車(近鉄奈良線):
- 近鉄「枚岡駅」下車、東へ徒歩2~5分(駅前から二の鳥居まですぐ)
- 大阪駅から約50分(JR大阪→鶴橋乗換→近鉄鶴橋→枚岡)
- 新大阪駅から約60分(地下鉄御堂筋線→なんば→近鉄)
- バス:
- バス便は限られるため、電車+徒歩ルートが最も便利です
■車でのアクセス
- 住所:大阪府東大阪市出雲井町7‑16
- 高速道路:阪神高速→水走出入口から国道170号経由で約3 km/10分
- 駐車場:
- 境内駐車場は40台分(最初30分無料、以降有料、16時まで)
詳細情報
名称 | 枚岡神社 |
---|---|
所在地 | 大阪府東大阪市出雲井町7-16 |
問い合わせ先 | 072-981-4177 | 枚岡神社 |
休業日 | - |
料金 | - |
駐車場 | 有料駐車場 |
公式サイト | http://www.hiraoka-jinja.org/ |
wikipedia | https://ja.wikipedia.org/wiki/枚岡神社 |
食べログ | - |
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