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木嶋坐天照御魂神社(蚕ノ社) 木嶋坐天照御魂神社(蚕ノ社)

木嶋坐天照御魂神社(蚕ノ社)

このしまにますあまてるみたまじんじゃ(かいこのやしろ) □京都府京都市
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全国的にも希少な、神秘の「三柱鳥居」。

木嶋坐天照御魂神社は京都の太秦に鎮座する、古代のロマンに満ちた神社です。最も有名なのは大変珍しい「三柱鳥居」ですが、それ以外にも見どころと逸話が尽きない神社なのです。まず読み方。「このしまにますあまてるみたまじんじゃ」と読みます。木嶋というのは地名で、木嶋の地に「天照御魂神」が鎮座しているという意味。天照御魂神というのはよく聞く「天照大神(あまてらすおおかみ)」とは別の太陽神だそう。地元では通称で「木嶋神社」や「蚕ノ社」と呼ばれていて、最寄駅も「蚕ノ社駅」です。

木嶋坐天照御魂神社(蚕ノ社)

「木嶋坐天照御魂神社」京都の太秦に鎮座する、古代のロマンに満ちた神社。最寄駅が示すように「蚕ノ社」と呼ばれている。

有力氏族だった、秦氏にゆかりのある神社。

ところで木嶋坐天照御魂神社を語るには、まず知っておかなければならない人物がいます。秦河勝。7世紀に聖徳太子の参謀として活躍した人物で、4世紀頃に中国より渡来した秦氏一族で最も歴史上に知られています。秦氏はこの地を中心に養蚕や機織を営み、大きな力を持っていた氏族。このあたりの「太秦」という地名にもそのことがうかがえるのです。秦河勝は603年に京都最古の寺である広隆寺を建立しました。木嶋神社の創建時期は詳しく分かっていませんが、広隆寺と同じように秦河勝にゆかりのある神社と考えられています。

木嶋坐天照御魂神社(蚕ノ社)

鎮守の森に包まれる境内中央にある拝殿。この日は雨に濡れて色濃く、より重厚に見える。

木嶋坐天照御魂神社(蚕ノ社) 木嶋坐天照御魂神社(蚕ノ社)

鳥居から真っ直ぐ本殿に続く参道。

木嶋坐天照御魂神社(蚕ノ社) 木嶋坐天照御魂神社(蚕ノ社)

神秘的で厳かな雰囲気に満ちている。

東本殿とも呼ばれる、蚕養神社。

さて、木嶋坐天照御魂神社の境内を散策します。鳥居からまっすぐ伸びる参道を進むと、正面に舞殿があります。その向こう側の一段高くなったところに、拝殿と本殿があります。社殿はすべて明治時代以降に再建されたものですが、この日は雨に濡れて色濃く、より重厚に見えます。あたりは背の高い鎮守の森に囲まれて、厳かな雰囲気に包まれています。
本殿の右側にある摂社が、蚕養神社(こかいじんじゃ)。東本殿とも呼ばれて木嶋神社では重要視されていて、「蚕ノ社」と呼ばれる所縁ともなっています。養蚕・織物・染色の守護神が祀られていて、これもやはり秦河勝と関わりがあると考えられています。

木嶋坐天照御魂神社(蚕ノ社)

本殿の右側にある摂社が「蚕養神社」で、「東本殿」とも呼ばれて重要視されている。養蚕・織物・染色の守護神が祀られている。

木嶋坐天照御魂神社(蚕ノ社) 木嶋坐天照御魂神社(蚕ノ社)

本殿左にある「三十八所神社」。

木嶋坐天照御魂神社(蚕ノ社) 木嶋坐天照御魂神社(蚕ノ社)

下鴨神社などでも見られる「双葉葵」の神紋。

奇妙でもあり、荘厳でもある。

本殿の西側に、木嶋神社の最大の見どころである「三柱鳥居」があります。囲いがしてあるためすぐ近くまで行くことはできませんが、森の中に佇む神秘的な姿が見られます。3つの鳥居が、上から見ると正三角形になるように合体しています。今までに見たこともないその姿は、奇妙でもあり荘厳でもあります。その存在感、オーラがすごくて、しばらく見入ってしまいます。よく見ると三柱鳥居の中心には石が積み上げられた小さな神座があります。三柱鳥居はこの神座を三方向から拝めるように作られたと言われます。そして興味深いのが、その三方の先をずっと辿れば松尾大社・伏見稲荷大社・双ヶ丘があるということ。その2社はいずれも秦河勝とゆかりのある神社だし、双ヶ丘には古墳群があり秦氏一族の墓と言われているのです。ちなみにこの三柱鳥居がいつからあったのかは、未だ分かっていないそうです。

木嶋坐天照御魂神社(蚕ノ社)

木嶋神社の最大の見どころである「三柱鳥居」。3つの鳥居が、上から見ると正三角形になるように合体している。

かつて三柱鳥居は、「元糺の池」に建っていた。

それと三柱鳥居を見ていると気づくことがあります。それは鳥居のある場所が周囲と比べて一段低く、窪みになっていること。さらにその手前にも水を溜められそうな、石で造られた池のような窪みが2つあるのです。また窪みの先には昔は水が流れていたであろう川のような跡も。しかし今はそのどれにも水はありません。
実はこの三柱鳥居がある場所は、かつて水が湧き出る泉だったのです。鳥居も以前は泉の中に建っていたわけです。この神泉は「元糺の池」と呼ばれ、禊の行場として神聖化されていました。またこの水に手足を浸すと諸病に効くと言われ、現在は涸れてしまいましたが、毎年土用の丑の日には水を満たして禊ぎが行われる神事があります。

木嶋坐天照御魂神社(蚕ノ社)

この三柱鳥居がある場所は、かつて水が湧き出る泉だった。「元糺の池」と呼ばれ、禊の行場として神聖化されていたという。

境内はどれも、厳かな趣きを纏っている。

またその元糺の池と合わせて、木嶋神社を包む鬱蒼とした森は「元糺の森」と呼ばれます。下鴨神社の社叢は「糺の森」ですが、ここにも何らかの関わりが感じられます。元々は木嶋神社のものだった糺の森を、下鴨神社へ移したからだという説もあるのです。
他にも木嶋坐天照御魂神社には見ごたえのある境内社が多数あります。どれも厳かな趣きを纏っていて、特に石室の中に宇賀御魂神が祀られている白清社は必見です。

木嶋坐天照御魂神社(蚕ノ社)

境内社はどれも厳かな趣きを纏っていて、特に石室の中に宇賀御魂神が祀られている白清社は必見。

誰も知らない、秘密の聖域。

交通の便が悪いこともあって観光客は少なく、ゆっくりと境内を散策することができます。ひっそりと静謐で、誰も知らない秘密の聖域にいるような感覚。
木嶋坐天照御魂神社は神泉が湧き出していたこともあり、古くから祈雨の神として信仰された神社でもあります。この日はあいにくの雨だったのですが、なんだかそれが最も相応しい天候のように思えました。

木嶋坐天照御魂神社(蚕ノ社)

本殿とその手前にある拝所。神泉が湧き出していたこともあり、古くから祈雨の神として信仰された。

木嶋坐天照御魂神社(蚕ノ社) 木嶋坐天照御魂神社(蚕ノ社)

境内の一角にある小さな境内社。

木嶋坐天照御魂神社(蚕ノ社) 木嶋坐天照御魂神社(蚕ノ社)

誰も知らない秘密の聖域にいるような感覚。

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アクセスマップ

■公共交通機関でのアクセス
  • 京福嵐山本線「蚕ノ社駅」下車 徒歩約5〜7分(約330 m)
  • 市バス/京都バス「蚕ノ社」停留所下車 徒歩約2〜5分
  • 地下鉄東西線「太秦天神川駅」より徒歩約5分(約500 m)
  • JR嵯峨野線「花園駅」から徒歩約7分
■車でのアクセス・駐車場
  • 敷地内駐車場はありません
  • 周辺コインパーキングの利用を推奨

詳細情報

名称 木嶋坐天照御魂神社(蚕ノ社)
所在地 京都府京都市右京区太秦森ケ東町50-1
問い合わせ先 075-861-2074 | 木嶋坐天照御魂神社
休業日 -
料金 -
駐車場 -
公式サイト
wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/木嶋坐天照御魂神社
食べログ
トリップアドバイザー https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g298564-d7261647-Reviews-Konoshima_Nimasu_Amateru_Mitama_Shrine-Kyoto_Kyoto_Prefecture_Kinki.html
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