北野天満神社

きたのてんまじんじゃ　□兵庫県神戸市

北野坂のてっぺんで、街を見続けてきた花の古社。

明治時代に建てられた洋館が並び、異国情緒あふれる街並みに多くの観光客が散策を楽しむ北野異人館エリア。神戸に来た外国人たちが好んで住居を構えた北野町や山本通の界隈は、今ではその瀟洒な街の雰囲気に呼応するショップも多く立ち並びます。そんな北野エリアの目貫通りである北野坂を真っ直ぐ、神戸の街を見下ろす最も高い位置にあるのが北野天満神社です。異人館が建てられる遥か昔から、神戸の街を見続けてきた古社。街の変化を何百年と知る、歴史ある神社です。

高台から見渡せる、異人館と神戸のパノラマ眺望。

北野異人館で最も有名な建物、風見鶏の館。その東隣に北野天満神社は鎮座します。石造りの鳥居をくぐれば、急な階段があります。ここまでも結構な上り坂を登ってきたのに、さらに登るわけです。ちょっと息が切れかかりますが、登り切ったところからは、もうすでに素晴らしい眺望を満喫できます。
そこには拝殿があり、右側には「叶い鯉」と呼ばれるこの神社の名物のひとつがあります。拝殿の手前がちょうど展望台のようになっていて、神戸の街並みを思う存分眺められる特等席になっています。右手には風見鶏の館を見下ろし、また正面には三宮のビル群、また遠くには海を見渡すこともできます。すでにこの時点で、北野天満神社を訪ねる価値が十分にあります。

風流な趣がある、北野天満神社の境内。

もう少し階段を上ると、そこに本殿があります。天満神社ですから、当然主祭神は菅原道真公。学問の神様として篤く信奉を集め、境内には合格祈願をしたためた多くのの絵馬が奉納されています。ほかに天高稲荷神社や薬照大明神といった境内社が並び、狐の置物が並ぶ様子なんかはとても風流な趣があります。また本殿右手にはおなじみの臥牛像があり、その横には美しい枝垂れ梅が咲いています。そう、実はこの北野天満神社を訪ねた理由のひとつは、梅の花を見て春を感じるためなのです。

厳しい冬が終わり、安穏の春がやってきた。

本殿の裏手にはさらに上り坂があります。その上の境内で最も高台になる場所に、梅林があるのです。100円を料金箱に入れて、梅林に入ります。本数はさほど多くはありません。ガイドブックなどでは200本と書かれたものもありますが、せいぜい50本程度でしょうか。しかしこの高台にあって晴れ晴れとした空に梅の花が映えるし、遮るものなくたっぷりの光を浴びて明るく明るく咲き誇っています。ミツバチが懸命に花の蜜を集めている様子や、メジロが枝から枝へ飛び移っては花をつつく様子。見上げれば山の上を旋回しるトンビ。厳しい冬が終わり、安穏の春がやってきたことを、この年初めて感じた瞬間でした。

太平の世も、戦乱の時代も、文明開化の息吹も。

そんな北野天満神社の歴史は古く、創建は平安時代の1180年。平清盛の福原遷都の際に、その新しい都の守護神として京都の北野天満宮を勧請して造営されました。そのことからこの地域は「北野」と呼ばれるようになったそうです。神戸を代表するエリアの名称が、実は京都に由来することに少し驚きました。いずれにせよ、もう800年以上も神戸の街を見下ろしてきた北野天満神社。太平の世も、戦乱の時代も、文明開化の息吹も、この街における全てをこの高台から見て知っているのです。
訪ねた3月上旬。観梅を楽しんだわけですが、境内にはたくさんのソメイヨシノがありました。あと1ヶ月ほどすれば満開に咲き誇る桜に、北野天満神社は埋め尽くされます。

photo.

アクセスマップ

詳細情報

名称	北野天満神社
所在地	兵庫県神戸市中央区北野町3丁目12-1
問い合わせ先	078-221-2139 ｜北野天満神社
休業日	-
料金	-
駐車場	-
公式サイト	https://www.kobe-kitano.net/
wikipedia	https://ja.wikipedia.org/wiki/天満神社_(神戸市中央区)
食べログ	-
トリップアドバイザー	https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g298562-d1818597-Reviews-Kobe_Kitano_Temman_Shrine-Kobe_Hyogo_Prefecture_Kinki.html
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